「離せ! ウッドロウ!」
「駄目だ! あの場所はもう……!」
「頼むフィリア! 行かせてくれよ!」
「分かります! 分かりますけどっ、でも……!」
地上――それも飛行竜が搭乗を待つ発着場へエレベーターは出たが、リオンとスタンが再び地下へ行こうとするのをウッドロウとフィリアが止める。
《坊っちゃん、その……、落ち着いて!》
《スタン! いい加減にせんか!》
相棒であるソーディアンの声すら耳に入らない2人の頬を平手で打ち怒鳴り付けたのは、歯を食い縛るルーティだった。
「現実見なさいよ! あんな状況で生きてられると思ってるわけ!? アンタ達も死にに行くつもり!? それじゃ、何の為にアイツが命を張ったのか分かんないでしょうがよ!!」
地鳴り続く中で、彼女の声は強く響く。
リオンは感情を無くした表情で崩れ落ち、スタンは痛くなる程に手を握り締めた。
「いかん、天井崩れるぞ! 早く飛行竜へ!」
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bkm
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