「コントロールパネルが壊されています! これでは……!」
よく見ると配線が引き摺り出された上で、引き千切られている。それが何を意味するのか、皆はすぐに分かった。
「ヒューゴの仕業か……!」
忌々しくリオンが言う。
その直後、一瞬の大きな揺れと水音が彼等に絶望を見せる。
「…………」
彼女は一瞬天井を見た。
それから、彼に告げる。
「君は、此方側に来てはいけないよ」
「……え……?」
少年の身体をエレベーターの奥へと突き飛ばし、彼女はエレベーターを降りて少し離れた所にある外部入力用の電源レバーに向かう。
その途中天井が崩落し、それを前方に飛び避けた事でエレベーターへの道が閉ざされた。
「セシル!? 何をやっている!!」
彼の声を背に受けて、衰弱した身体でレバーを降ろす。
エレベーターは動き出す。本来ならば余裕をもって戻れる距離だが、それは叶わない。
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bkm
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