喜びも不安も彼と一緒に居て覚えたモノ。
彼が自分を必要していたのではなく、自分が彼を必要としていたというのに。
「エ、ミ……っ、ぐっ……!」
意識を失いかける程の激痛に胸を押さえ、リオンがその身体を抱き締める。
「セシル! しっかりし……」
一瞬、ソーディアンマスター達に原因不明の悪寒が走った。
その直後低い地鳴りが空気を震わせ、大きな地震が起きた。
「……っ、何だ!?」
《この揺れは……自然のモノではないぞ!》
少し経ち揺れは多少収まったが、地震は続いている。
ウッドロウが来た道を戻り退路を確認しに行ったが、すぐに戻って来た。
「ダメだ、エレベーターまでの道が崩れている!」
「では、奥に進むしか……!」
フィリアの提案を、セシルは胸を押さえたまま否定する。
「ダ、ダメだ……! あの道は、更に、地下に潜って……いく。この揺れ……だと、水が……!」
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