それでも彼女は耐え術が終わった瞬間攻撃に転じようと、した。
「……!」
2つの刃を構える少年は目の前に居た。
顔は何故か、よく見えない。
「魔人千裂衝!」
神速の剣技は残りのレプリカを破壊し、何故か防御をしない無防備の身体に一撃を叩き込んだ。
正体不明のソーディアンを握る肩から血を流し、距離を取るリオンに対し数歩退き肩で息をする。
「この私が、傷をつけられるだと……? そんな事……そんな事があって……!」
明らかに通常の出血量を越えているにも関わらず、ただダメージを受けたという現実だけに怒りを見せていた。
それにルーティが問う。
「アンタさ、さっきフィンレイって奴を殺したって言ってたわよね」
反応は無い、だが彼女は続けた。
「前に言ってた“助けられなかった人”って、そのフィンレイの事じゃないの? さっき言った“殺された”って言い回しも、ストンと納得出来るんだけど」
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bkm
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