「ね、アトワイト」
《どうしたの?》
詠唱の中でルーティは言った。
「アタシ、凄い気になってる事があるんだけど」
《……私も、同じ事を考えていたわ》
もしそうなら、彼女はやっぱり哀しい。
前衛の2人は攪乱と同時に、先程までの攻撃より隙があるとはいえ危険は増す事を承知で距離を詰めていく。
「月閃光!」
空中で光球を薙ぎ払い、その上からスタンがディムロスを構えた。
「鳳凰天駆!」
炎を纏い、彼女に向かい突進する。
その勢いで光球を消滅させ、3本のレプリカソーディアンに切っ先を防がれても尚競り合う。
「おのれ……こざかしい!」
手の平に作った光球で彼を落とそうと攻撃を緩めた時、後衛2人の詠唱は完成する。
「アイストルネード!」
「エアスラスト!」
氷と真空の嵐が襲い、完全に攻撃の手が止まった。
その中で、レプリカソーディアンが3本砕け散る。
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