女は笑った。


「憎らしい事に私達の計画に気付き始めたからね……ならば、殺すしかないだろう?」


 さもそれが世の常識だと言わんばかりに言う、楽しそうに。

 少年は心が壊れそうだった。


「もう止めろ! 聞きたくない!」

「ハハッ、とうとう私を見限ったかい、エミリオ」

「黙れ……! お前は、一体誰なんだ!」


 召喚した黒槍が女に襲い掛かるが、それは簡単にレプリカソーディアンで防がれてしまう。そしてお返しとばかりに、全く同じモノをリオンに放った。

 それはやっと立ち上がったスタンが斬り防ぎ、直撃を避ける。

 青年は、心の内にある思いを言葉にした。


「何でだよ……全部嘘なんて信じられるかよ……!」

「田舎者が、何を知った様な口を利くんだい? 言っただろう? 私は彼の為だけに力を尽くすと……君達はその為の役者でしかないんだ。
 愉快だったよ、何も知らない君達が脚本通りに動いてくれる姿を見るのがね。そんな君達に最終幕を見せてあげられないのは残念だけれど、更なる絶望にうちひしがれる事は無いのだから君達はまだ幸福な方だろうね」


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bkm

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