その遠距離からの晶術による猛攻に、ソーディアンマスター達は防戦一方だった。
「どうした、ソーディアンの力というのはこの程度か?」
《クソッ……何なんだあの晶力は……!》
忌々しくディムロスは言うが、戦況は変わらない。
次の衝撃波を受けた瞬間フィリアの身体が後ろに飛び、ウッドロウが抱き止めた。
「フィリア君、大丈夫か!?」
「は、はい……ちょっと、集中力が切れてしまって……」
まだ大丈夫と立ち上がるフィリアだが、コレ以上前に立たせるわけにはいかないとスタンとリオンがソーディアンを構える。
「スタン、彼女の動きを見たか」
「ああ、衝撃波を出した後少しだけど時間があった」
「そうだ……とにかく間合い詰めなくては……」
術勝負では殆ど敵わない。ならば詠唱を潰せるまでの距離は近寄るしかない。
スタンよりも身のこなしが軽いルーティの方が適任かもしれないが、彼女は先程の話で動揺し戦える状態ではなかった。
prev next
bkm
[back]