エレベーターが到着した底は、驚く事に岩壁と水、そしてレールが敷かれた炭鉱の様な場所。しっかりと明かりもあった。

 降下時間を考えると、海面よりも下にある海底洞窟とも考えられる。


「更にキナ臭くなってきたわね……まるで物語に出てくる悪者の秘密基地じゃない」

「秘密基地という点では大当たりだろうがな」


 空気は冷たく、更に緊張感は増す。

 しかし進む以外の選択肢は無い彼等は、人もモンスターも現れない洞窟を歩いていく。


「やれやれ、君達はどれだけ目出度い頭をしているんだ?」


 その声が聞こえたのは、かなり開けた場所。

 奥へと続く道の前に変わらぬ姿の彼女は居た。


「まさか、罠だと思わなかった、なんて言い訳はしないだろうね」


 不適な笑みを見せる女。

 セシル・オルグレンは、楽しそうに笑う。


「セシル……!」

「おやリオン、グッスリ眠れたかい? 目覚めの朝は素敵だったろうね」


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bkm

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