ルーティの言葉にフィリアが頷き、オベロン社の存在の大きさを語る。

 人の世とすれば素晴らしい事なのに、リオンは何故かこの島からは悪意しか感じ取れなかった。


「何も無さ過ぎるな……私達を奥に誘っているのか……」

「でも行くしかないんですよね……」


 ウッドロウの呟きにスタンは再度確認する。

 進む程に、彼等の鼓動は高くなっていく。


「エレベーター……動いているみたいだな」


 自動ドアの中には開かない所も多い中、下へ向かうらしいエレベーターは動いていた。

 一行は互いの顔を見て意思を確認した後、エレベーターに乗り込む。


《まさか、オベロン社がこれほどの施設を隠していたとはな……》

《そうね、昔を思い出すわ》

《あ……そうか! 何かモヤモヤすると思ったら……》

《うむ、そちの思っとる通りじゃろう。確か“アレ”の研究施設もこんな雰囲気じゃった》


 ソーディアン達は息を飲み、悪意の正体に警戒する。


prev next

bkm

[back]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -