リオンが疑問に答えると、質問をしたスタンが首を傾げた。


「それって、わざと俺達に見つかり易くしたって事か?」

「セシルが残した言葉を考えると、それは間違い無いだろうな。その前に僕とルーティが此処を見つけた事は計画の内だったかどうかは分からないが……」

「だから少数精鋭か……罠と分かって大隊を送るのはただの愚か者か、その逆しか無いからな」


 ウッドロウの言葉に小さく頷いたリオンは奥を見る。

 窓から入る光で進むのは困らないが、どうしても怖じ気づいてしまう所はある。


「……やるしかないんだ」


 そう呟き、奥へ奥へと足を進める。

 工場区画を抜けた先は、コンピュータが支配する研究区画だった。誰も居らず、やはり機械音がするだけ。

 窓は無いが、その分進むのに必要な明かりは点いていた。


「オベロン社って、どんだけ金があんのよ……」

「そうですね……レンズ研究がどれだけ革新的なのか分かりますわ……」


prev next

bkm

[back]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -