1人で全てを背負うな、そう言いたいのだろう。
今どれだけ自分が惨めで身勝手か分かっているからこそ、その言葉が身に染みる。
「言われなくても分かってる……」
何て自分は弱いのだろうと、自分を嘆く。
そして溜息を吐いたのは、少年だけではなかった。
「ルーティさん? どうなさったのですか?」
「え? いや……何ていうか、何か、モヤモヤしてんのよね、凄く……」
フィリアに声を掛けられたルーティは、彼女らしくない言葉を返す。
このモヤモヤは何時からだっただろうか。
「……あー……何かイライラしてきた……」
とにかく手に入れるべきは真実。
その為の足の準備が出来たと、兵士が報告に来た。
「……行くぞ」
覚悟は出来ているかと訊かれたら、素直に頷く事は出来ない。
だが行くしかない、その先にるのが希望でも絶望でも。
「セシル……」
それでも、希望を信じたくて。
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bkm
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