そこでシャルティエが声を上げた。


《坊っちゃんっ》

「分かってる……! マリー! ルーティの詠唱時間を稼ぐぞ!」


 指示に対しマリーは頷き、再びゴーレムに走り寄る。同時にリオンとルーティも続いた。


「しっかりやんなさいよ……!」


 晶術の効果範囲に入ったルーティは詠唱を始める。

 阻止しようと突き出されたゴーレムの拳を、マリーが斧で受け止めた。もう一方の拳は走るリオンを狙うが、身軽な彼を捕らえる事は出来ない。


「――凍てつけ! アイスウォール!」


 ルーティの足下から氷柱が発生し、前を守るマリーを避けゴーレムを捉えた。ほんの数秒で氷に拘束され、軋む音を響かせた所で、マリーが勢いを付け重い一撃を見舞う。

 石の身体は砕け散り、中から人の頭程もある色の違う石が飛び出した。


「もらい!」


 マリーの背後から飛び出したルーティが、アトワイトでそれを斬り割く。

 すると、砕けた石の身体は消滅した。



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bkm

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