青年の言葉の意味を知っているのはルーティとマリー。他の皆は自然と少年に視線を集中させた。
それでも彼は揺らがない。それどころか、ハッキリとそれを告げた。
「僕はあの男を……ヒューゴを一度も父親と思った事は無い。だから……何も問題は無いんだ」
事実を知らなかった者達は驚愕する。国を裏切ったかもしれない男と、国の命に従う少年が親子だという事に。
ソーディアン達はマスター達に聞かれぬ様に状況を整理する。
《リオンはヒューゴの息子、か……厄介な事になっておるのう》
《それでも彼の立場が脅かされていないのは今回の事は極一部の人間しか知らない事と、周りからの評価の表れね》
《しかし分からんな……セシルはどうやって封印を破ったのだ。簡易とはいえ、普通の人間にあの封印は破れん筈だ》
《ヒューゴはレンズ研究の第一人者だから、それが関係しているのかもしれないけど……》
prev next
bkm
[back]