「天上の復活はすぐそこだ、我々の悲願は達成される。天上人の血を引く貴様も本望だろう」
「……イレーヌの考えはどうする」
「選ばれし者だけの平等な社会、問題は無いだろう? 人間は多過ぎると不平不満が起こり、争いが生まれる……良い芽だけを残して間引けば、より良い社会が誕生する。まあ……あるべき姿に戻るだけな気もするが」
子供の様な笑顔に寒気がする。
どんな生き方をすればこの様な笑顔が出来るのだろうか。
「低俗な者共に犯されぬ聖域、お前はその復活の柱になれる事を誇るべきだ」
「…………」
考えが揺らぐ事は無いが、目の前の女には恐怖を抱く。
何が、この女を動かすのだろうか。
「地上の民には相応の役目を果たしてもらう。……その為には、害虫を駆除しなければな」
全ては筋書きの通り、何も迷う事は無い。
そうして生きてきた、これから先も変わらない。
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bkm
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