「う……くっ……」
リオンは眼を覚まし身体を起こすが、軽いが襲い掛かる頭痛に頭を押さえる。
動悸が治まらぬまま部屋を見渡すと、そこは城の医務室。今、医師が部屋を出ていくのが見えた。
「……僕は……」
《坊っちゃん! 良かった……!》
「……シャル……?」
テーブルに置いてある愛剣。
少年は必死に、途切れ途切れの記憶を繋ぎ合わせようとする。
「リオン!」
「将軍……、閣下……」
暫くして医務室に入って来たのはドライデンだとは分かったが、身体が硬直し動こうとしない。
将軍は静かに問う。
「リオン……、お前が昨夜最後に会ったのは誰だ」
「…………」
最後に会った人。
それはよく知っている人。知っている人だから、口に出すのが恐ろしい。
それを理解した上で将軍は告げた。
「昨夜飛行竜を奪い、それを用いて神の眼を奪い去った者が居る」
「……!?」
prev next
bkm
[back]