たった一撃で彼は沈み、他の兵士と同様に飛行竜の外へ運ぶ。
コレで、飛行竜の中には彼女だけ。
「……フフッ」
操縦実に入り、慣れた手つきで操作し飛行竜を起動する。警備システムは既に解除され、地上への通路が開く。
その予定に無い音で気付かれただろうが、既に遅い。
「さあ、貸し物を返してもらいに行こうか」
竜は飛び、城から大分離れた場所にある旧時代に作られ放置されていた施設へ行く。
それは森に隠されており極一部の者しか知らない。警備をしているのは一般兵よりも高い実力を持つ近衛兵。
しかし大胆にも彼女は施設の上で飛行竜を止め、飛び降り、正面から乗り込もうとした。
「セシル・オルグレン!? 何故飛行竜を……!」
「黙れ」
入口に居た兵士すらも倒し、神の眼が安置されている最奥を目指す。
飛行竜が現れた事で兵達が一斉に侵入者を排除しようと武器を向けて来たが、それでも彼女は止められなかった。
「……フフッ……アッハハハハハハハ!!」
神の眼を前にして、まるで狂ったかの様に彼女は笑う。
ソーディアンによる封印なんぞ気にも止めず、足を進めた。
「この世で一番美しい物……この世で一番強い物……きっとコレがそうなのだろうね……」
手の平に晶力を溜め、結界にそれを撃ち出す。
結界は簡単に破壊され、直後天井が崩れ飛行竜が現れた。
「行こうか、天上の復活へと」
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