ついに意識を手放し、愛した女性の腕の中で眠りにつく。
「……エミリオ……」
返事は帰ってこない。
すぐに少年をベッドに寝かせ、テーブルにある紅茶を片付けた。
「……君は、此処に居るべきだよ」
明かりを消し、部屋を後にする。
城を出る為に廊下を歩いていると、ドライデンに出会った。
「セシルか、リオンと一緒ではないのか?」
「疲れていた様なので彼はもう休みました。私は休暇明けで体力が有り余っていますが」
苦笑しながら彼女は答えまる。
「そうか……考えてみればあ奴もまだ子供、ちゃんと休ませねばな……」
「そうですね、私が言ってもきっと大丈夫の一点張りですが……閣下からなら命令という事で休ませる事が可能ですね」
「うむ……近い内に休暇届を出させるか」
微笑を浮かべる将軍に笑みを返し、変わらぬ声色で彼女は言った。
「閣下、これからもリオンの事、お願い致します」
「ああ、分かっている。リオンだけとは言わず、お前の事を頼まれても良いがな」
「フフッ、ありがとうございます」
prev next
bkm
[back]