《……お前達は、わざわざ我をからかいに来たのか……》
「いや、流石にそれは無いから安心して」
そりゃそうだろう。本当にからかいに来ただけだった説教をする。
リオンはディムロスの隣にシャルティエを置いた。
《……状況がよく分からんのだが》
《坊っちゃんを男にする為にさ、うん》
《…………なる、ほど》
何となく状況が飲み込めたディムロスは溜息を吐く。シャルティエは微妙にそわそわしていた。
「セシル、行くぞ」
「うん、じゃあね、2人共」
2人に笑顔を残し、セシルは少年と共に部屋へ向かう。
その間はどちらも無言で、リオンが口を開いたのは部屋に入ったすぐ後。
「えっと……疲れたな」
「ん? うん、そうだね……じゃあ、紅茶入れるから待ってて」
「ああ……」
部屋に置いてあるティーセットを使いセシルは紅茶を作る。
やはり落ち着かないリオンは、窓の外にある城の中庭を見ていた。
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bkm
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