アトワイトに宥められ怒りを治めると、不意にマリーがルーティの肩を叩く。
「私がしっかり前衛を務める、ルーティは私には出来ない事をやってくれ」
「マリー……分かってるわよ、何時もの事じゃないそんなの」
屈託無い笑顔を見せルーティは笑う。
和やかな二人に対して、先頭を進むリオンは浮かない顔をしていた。
《坊っちゃん……本当はセシルと一緒が良かったんじゃありませんか?》
「うるさい、公私混同するつもりはない。
――アレは……!?」
皆は足を止める。
視線の中心にあるのは、空中に鎮座する巨大な宝石の様な物体。
《アレが結界石です!》
《待って、何か来るわ》
アトワイトの言葉に一同が武器を構えた直後、結界石の真下に光が収束した。
その光が消え現れたのは、巨大な石人形が一体。
「ゴーレムか……!」
「ちょっとデカイわね……!」
「私が先陣を切ろう」
巨大ゴーレムに臆する事無くマリーは走り出す。
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