やはりこうなってしまうかと自嘲気味に彼は笑う。

 申し出を受ける為深呼吸をし、しっかり彼女を見た。


「じゃあ、僕の部屋に行くか」

「うん、ありがとう」


 嬉しそうに笑った。ただ、指先が震えている事には本人も気付いていない。

 城に戻りディムロスが安置されている部屋に2人は足を踏み入れた。


「相変わらず暇そうだな」

《我の声を聞ける人間は少ないからな》

《スリープモードにはならないの?》

《それは、まあ何だ……何時我のマスターが現れるか分からんからな》


 マスター候補が現れた時ソーディアンは自動で目覚めることになっている。

 もしかして、とセシルは言った。


「スタンの事待ってたり?」

《んなっ……何故我があの様な馬鹿者を……!》

《ついでに、アトワイトに会えたら……なんて?》

《シャルティエ……!!》


 どうやら図星らしい。


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