「リオン、そろそろ戻ろうか」
「ああ、さっさと報告を入れんとな」
鞘の位置を直し、リオンはシスターに挨拶をする。
セシルはルーティに再び笑顔を向けた。
「それじゃあ、またそのうちにね」
「ん……そのうち、ね」
無表情の少年に対し、彼女は笑顔で去って行く。
見送るルーティはアトワイトに声を掛けた。
「アイツ、あんな笑い方だっけ」
《セシルの事?》
「うん……何か、無理して笑ってる様に見えなくもないってアタシのキャラじゃないわね」
《他人に興味を持つなんて、少なくとも成長した証拠よ》
愛剣の言葉に、彼女はバツが悪そうに視線を泳がせる。
駐屯所で簡単な報告をし首都へ戻る途中、リオンが訊いた。
「ルーティと何を話していたんだ?」
「んー……秘密」
「どうして」
「女同士だから」
すると少年は不貞腐れたかの様に黙り込む。
「フフッ、ゴメンよ」
みんな、秘密。
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