何時もの微笑と何時もの口調で彼女は言った。
ただルーティには、それが重苦しく感じる。
「まあさ、とにもかくにも元気そうで良かったよ。家族も皆温かくて、幸せそうだ」
「え、ええ……此処はアタシの家だもの。アンタは……どうなのよ」
「私は何時も通りさ。彼の助けになれるなら、それ以上の幸せはないんだ」
何故か相手を不安にさせる言葉。
家族でも何でもない他人だというのに何故こんなにも不安になるのか、ルーティは不思議に思う。
「無理な話かもしれないけど、リオンと少しくらい仲良くしてほしいね。止めるのも大変だよ」
「ホント無理な話ね……アイツとツラ合わせるだけでイライラするんだもの」
「そういえば、どうしてなんだい?」
「さあ? 相性最悪って事なんじゃない? ……どっちにしろ、滅多に会う事も無いでしょ」
客員剣士と孤児院の娘、関わりが無い方が普通なのだ。
だが何か胸騒ぎがするの気のせいだろうか。
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bkm
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