リオンの気持ちを考えると、スタンもルーティも嫌だろう。だが妥協は出来ない。
それを分かっている彼は決断した。
「僕はルーティと行く。空気の読めない馬鹿よりはマシだろう」
「それじゃあ俺はセシルとだな」
「アンタ、ちょっとは反論したらどうよ……」
今の状況では反論せず素直に従ってくれる方が有難いが、ルーティは思わず口を出す。
それでもスタンは気にしない。
「じゃあ善は急げ、リオン達は三つ、私達は二つ破壊したら戻って来る事にしよう。勇気ある撤退の選択肢も忘れないでね。
アイルツ殿、もう暫く辛抱してください」
『分かりました……皆さん、お気をつけて……』
祈る様なアイルツの言葉を受け、セシルとスタンは先に階段を降りた。
残った三人もすぐに行動を開始し、先の二人とは逆方向へ進む。
「遅れるなよ、足手まといはゴメンだからな」
「なっ……! アンタねェ……!」
《ルーティ、カリカリしないの》
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