口論はセシルが止めるまで続き、兵士達に場の後始末を任せて3人は町に戻った。
「ねーちゃーん!」
「おう、ちゃんと大人しくしてたみたいね」
孤児院に着き、駆け寄って来た子供達の頭をルーティは笑いながら乱暴に撫でる。
客員剣士の2人にはシスターが歩み寄って来た。
「ありがとうございます、ルーティを助けてくださって」
「……此処の子供が何故軍を嫌っているのか納得したがな」
「すみません……」
シスターは申し訳なさそうにしているが、何処か嬉しそうにも見える。
「ま、指名手配は解かれてるし、何にしろ僕がどうこう出来ないからどうでもいいが」
「そうだね……ルーティの金への執着具合は凄いと思ってたけど、こういう事だったわけか」
孤児院の建物は見れば見るほど、集団生活をするには心許ない。
ただ足場を組む為の鉄骨が隅に重ねられており、近く立て直しをする様だ。
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