そう言う彼女は、レンズを拾っている。
リオンは冷たい眼をし、セシルが失笑し、アトワイトは呆れていた。
《ルーティ……レンズハンターは卒業するんじゃなかったの?》
「ハッ……身体に染み付いた癖が……!」
《孤児院云々の前に、貴女は根っからお金が好きだものね》
「なっ……! そんな事は……!」
心外だと言わんばかりのルーティだが、アトワイトは容赦無く暴露する。
《5ガルドて買ったリンゴを、旅人に10ガルドで売った時は将来有望だと思ったものね》
「そんな昔の事っ……、アンタ等聞いてんじゃないわよ!」
真っ赤になる彼女を、リオンは鼻で笑う。
それからどうなったかと言えば、予想通り口論を始める。
「笑ってんじゃないわよ! 甘党坊や!」
「貴様……! 何を根拠に!」
「こっそり甘い物食べてたの、みーんな知ってんだから!」
「みっ……だ、黙ってろ強欲女!」
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bkm
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