13

 やはりリオンに似ている、セシルは表には出さずそう思う。

 そのリオンは、海の向こうを見つめ首を捻っていた。


「どうしたの?」

「ああ……あそこに建物が見えてな」


 指を差す先の小島には確かに建物が見える。

 遠目だが、何となく不気味だと思えた。


「今まで気付かなかったわ……まあ、あんなに遠かったら仕方ないだろうけど。でも何の建物かしらね……あんな所、船を接岸するのも大変でしょうに」

「無人……だろうか」

「どうだろうね……もし長年放置されていたなら、モンスターなんかが住み着いているかもしれないね。あ、幽霊屋敷ってのも一興かな」

「ちょっ……幽霊とか止めてよね……」


 狼狽えるルーティに、セシルが至極不思議そうに訊く。


「あれ、ルーティって幽霊とか駄目なタイプ?」

「駄目ってことはないけど、職業柄よく墓荒しとかが悲惨な最期を遂げるって話聞くのよ……。それがものすっごいリアルで、思い出すだけで鳥肌が……!」


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bkm

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