とにかく今するべきはモンスターの討伐。
リオンがシャルティエに手を掛けた時、剣が呟いた。
《あれ……アトワイト》
「え?」
彼が口にしたのはソーディアンの名前。
2人は周りを見渡し、少ししてセシルが呼んだ。
「ルーティ?」
茂みが揺れた。
構える兵士達を抑え、セシルは再び口を開く。
「そこに居るんだよね?」
「……もうっ、アトワイトのせいよ……!」
《貴女が戦闘体勢取っちゃったからでしょう?》
現れたのは私服姿のルーティ。
リオンは内心狼狽え、セシルは訊いた。
「もしかしてあの子達のお姉さんって……」
「……悪い?」
「悪くはないけど……君、クレスタの孤児院暮らしだったんだ」
「まあね……親がアタシを捨てちゃったから……じゃなくて、今はモンスターをどうにかするんでしょっ」
確かに此処で身の上話をしている場合ではない。
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bkm
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