「わざわざお越しくださりありがとうございます。我々で近辺を調べました所、北の海岸から確かに水棲モンスターが陸に上がってきているようです。通報者から詳しい事は聞けなかったので当時の様子を把握が出来ていませんが、かなりの数であるのは確かです」

「では、孤児院の娘の話は本当だったわけか……。通報者は今何処に居る?」

「それが、孤児院に戻っていないらしいのです。何でも腕は立つみたいで、モンスターの見張りに向かったと孤児院のシスターが話していまして……。海岸に向かった兵士には応援が到着するまで手を出さない様に指示を出しておきました」

「チッ……誰だか知らんが余計な事を……。一度孤児院に行って話を聞いてみるか……」


 兵士の案内で2人は町の外れにあるという孤児院へと向かった。

 庭で子供達が元気に遊んでいるそこは明るさがあるが、建物には相当“ガタ”がきているらしく修復跡が多く見られる。


「あら……軍人、さん?」


 2人に気付いたシスターが首を傾げるのも仕方ないだろう。軍服を着ていない上にかなり若いのだから。


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