クレスタへと2人は急ぐ。


「そういえばクレスタの孤児院と軍人って折り合いが悪いって聞いた事があるけど」

「それを考えたら悪戯という可能性も無くはないか……。しかし昨今の事を考えると捨て置くわけにはいかないな」

「……ねえ」

「何だ?」


 歩きながら彼女は言った。


「君、丸くなったよね」

「……え?」


 つい足を止め、微笑む彼女を見る。嬉しそうだ。

 それに対してどの様な言葉を返すのが適切なのか、少年は思い付かなかった。


「えっと……」

「フフッ、ごめんごめん。何だか雰囲気変わったなって思ってさ」

「それは……どういう意味で?」

「もちろん良い意味で」


 その答えに偽りは見えない。

 しかし少年は“ありがとう”としか言えなかった。


「ん……さ、行こうか」

「ああ……」


 潮の匂いが混じった冷たい風が吹く。

 目的地に到着した2人は、町中にある駐屯所を訪ねた。


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bkm

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