早々と準備を終え、2人はクレスタへと向かう。
道中、変わった狼型のモンスター群に遭遇した。
「……確かに、あの事件以来なかなかおかしい事になってるな」
「まったく、グレバムの思念とでも言うべきか?」
シャルティエを抜くリオンはそう言うが、脳裏には彼の最期の言葉が焼き付いている。
どうしても払拭出来ず、しかもそれが日に日に不安を大きくしていた。
「リオン?」
「……! すまない……」
戦闘中に考え事に耽るとは自分らしくない。
彼は愛剣を構え、飛び掛かって来るモンスターの前足を斬り落とす。頭上を取って来たモンスターは跳んだセシルの剣で薙ぎ払われた。
「んー、やっぱり鈍い」
「そうなのか?」
「うん、反応がどうも遅れるな」
剥き出しの牙を避けたセシルは、一瞬の迷いも無くモンスターを真っ二つにする。
その時一瞬見えた眼に、リオンは何故か悪寒を覚えた。
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bkm
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