18

「フフ、セシルもきっと喜ぶわね」

「…………」


 今日は何時もより立場が低い気がする。今更ながら彼はそう思った。


「……よし、コレでおしまいね。ありがとうエミリオ」

「あ、ああ」


 結構な量の荷物を持ち、リオンはマリアンの礼に頷く。

 すると彼女は、白い紙箱を見せた。


「帰ったら食べましょうね、新作スイーツだって」

「何時の間に……」


 しかし甘い匂いに疲れが緩和される。

 我ながら単純だとおかしくなり、少年は微笑みながらマリアンと屋敷への帰路につく。


「そういえばエミリオ、何か良い事があったの?」

「え?」

「貴方なんだか、凄く嬉しそうに見えたから」

「……まあ、あったと言えばあったかな」


 とても良い事が。


「時間が空いたら、セシル復帰のお祝いしましょうか」

「そうだな、明日は無理だろうから……」


 1分1秒が過ぎていく。


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bkm

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