状況判断の為の質問に、アイルツと名乗った扉の向こうの司教はなんとか落ち着き話し始めた。
『それが、大司祭グレバムが突然反乱を起こし逆らった教徒達を……! 戦う力が無い者はこの知識の塔に閉じ込められてしまい……』
彼の話にリオンが眉間にシワを寄せ、小言で隣に立っているセシルに話し掛ける。
「まさか、内部の反抗とはな……」
「取り敢えず司教殿達を解放しよう。司教ならば神の眼の安置場所が分かるかもしれない」
「そうだな……だが……」
先程からスタンが扉を開けようとしているが、びくともしない。どうやらそれは内側からも同じらしい。
恐らく、近く漂っている光が関係しているのだろう。
《やはりこの光は……スタン、真上に向かい晶術を使え》
「え? でも此処建物……」
《構わん、早く使え!》
檄を飛ばされスタンは詠唱を始める。
「ファイアボール!」
火炎の球が天井に向かい放たれたが、天井に火炎は当たらず見えない何かに遮られた。
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bkm
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