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 マリアンが言った。


「使用人の間でも話題になってるのよ。戦闘に身を置く職業でありながら、あの肌をどうやってキープしているのか……って」

「まさか……本人に訊いたのか?」

「代表して私がね。そうしたら彼女、何もしてないって。思い返してみれば、彼女の部屋を掃除してても化粧道具とか全然見なかったのよね」

「そ、そうなのか……」


 使用人の間でそんな風に彼女が話題になっている事を知らなかった少年は、何だか複雑な気分になる。

 マリアンは相変わらず微笑んでいた。


「化粧って大変なのよ、流行り廃りがあるから」

「服と一緒なんだな……マリアンはどうなんだ?」


 彼は特に深い意味を籠めずに聞いた。

 すると彼女は、深い意味が籠っている様な笑顔を見せた。


「私だってもう25だもの、少しは心得ているわ」

「あ、ああ……」


 訊いてはいけない様な事を訊いてしまったのだろうか。


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bkm

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