「じゃあ、一緒に行きましょう」
「ああ」
主は本当に嬉しそうだとシャルティエは小さく笑う。
リオンとマリアンは、賑やかな商店区域にやって来た。先ずは化粧品が並べられている店。
「えっと、ローションパックとファンデーションと……」
「化粧品か?」
「そうよ、皆何時も薄化粧だから。休みを機に目一杯オシャレがしたいのね」
確かに、皆何時も支給されたエプロンドレスを着ている。やはり少なからず不満はあるのだろう。
ただ、マリアンが手に取っている化粧品の量には圧倒される。
《女性は大変なんですね……美は一日してならずとか聞きますけど……。セシルはどうなんでしょう》
「え……セシルはしている様には見えないが……」
だが彼女も女性、しかし休暇中会った時はしている様には見えなかった。
長く悩むことも無く、答えはすぐに出たが。
「セシルは化粧してないわよ」
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bkm
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