15

「じゃあ、一緒に行きましょう」

「ああ」


 主は本当に嬉しそうだとシャルティエは小さく笑う。

 リオンとマリアンは、賑やかな商店区域にやって来た。先ずは化粧品が並べられている店。


「えっと、ローションパックとファンデーションと……」

「化粧品か?」

「そうよ、皆何時も薄化粧だから。休みを機に目一杯オシャレがしたいのね」


 確かに、皆何時も支給されたエプロンドレスを着ている。やはり少なからず不満はあるのだろう。

 ただ、マリアンが手に取っている化粧品の量には圧倒される。


《女性は大変なんですね……美は一日してならずとか聞きますけど……。セシルはどうなんでしょう》

「え……セシルはしている様には見えないが……」


 だが彼女も女性、しかし休暇中会った時はしている様には見えなかった。

 長く悩むことも無く、答えはすぐに出たが。


「セシルは化粧してないわよ」


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bkm

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