話に耳を傾ける将軍の表情は読めない。
ならば、出来る事をするだけだ。
「彼の相棒であるジョブスを、彼の補佐官に推薦します。あの2人はまだまだ未完成ですが、互いを高め合い、いずれセインガルド軍の大きな一柱になるでしょう」
此処までくると“カン”でしかない。しかし自分の意見は間違っていない、不思議とその自信はあった。
此方を見る将軍に真っ直ぐ視線を返すと、突然ドライデンが小さく笑い始める。
「か、閣下……?」
「いや、すまんな……私と全く同じ意見で嬉しいと思ったのだ」
「え……」
どういう事かと少年の表情は語る。
希望通りドライデンはそれを話した。
「実は私も最初から同じ意見だったのだが、お前の意思というモノを確認したく2人の査定を命じたのだ」
「……え……どういう、事でしょうか……」
全く意味が理解出来ない。
すると将軍は、不意に微笑を浮かべた。
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bkm
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