ドライデンは一度眼を閉じ考え込んだ様子を見せ、再び眼を開いた時結論を訊いた。
「して、どちらが隊長の器に相応しいと思う」
2人しか居ない部屋が緊張感で満たされる。
客員剣士は息を飲み、そして告げた。
「私は、ウイルが隊長に相応しいかと思います」
「それは何故」
「彼の任務に対する志しは、部下にも良い影響を与えるでしょう。しかし……」
「どうした?」
果たして此処まで言って良いものだろうか。明らかに余計な意見だと彼は悩む。
しかし将軍は話を待っているらしく沈黙を守っている。言うしかなさそうだ。
「今のウイルでは、少々荷が重すぎる様に思います」
「ほう……何故だ?」
「はい……彼は視野が狭くなる傾向があり、それを指摘出来る者が居なければ今の彼では部下を率いる事は出来ないでしょう」
「ではどうすれば良いのだ? 隊長に相応しいと結論を出したのはお前だ」
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bkm
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