《神の眼に何も無ければ良いが……》
《ただ血の匂いとなるとね……うん……》
《急ぎましょう》
ソーディアン達の言葉に従い5人は、正面から神殿内に足を踏み入れた。
建物内は外見と比例して広いが、やはり人は居ない。それどころか、マリーの言葉を肯定する様に床には血の跡が残っていた。
「すいませーん! 誰か居ませんかー!」
《馬鹿者! いきなり大声を出すやつがあるか!》
気持ちは分からないでもないがタイミングの悪いスタンの大声に、ディムロスの怒声が飛ぶ。
だが、正面階段を登った先から、スタンの声に答えるモノが聞こえた。
『だ、誰かいらっしゃるのですか!?』
人間の声。
皆は階段を上がり、声がする、明らかに不自然である光が漂う大きめの扉の前に駆け寄った。
「誰か居るんですか!?」
『わ、私はこの神団の司教アイルツと申します。貴方方は……』
「私達は国王陛下の命でやって来ました。私は王国客員剣士セシル・オルグレンです。
一体何があったのですか?」
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bkm
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