「じゃあ私はそろそろ行くね、任務お疲れ様」
「ああ……」
共に居る事が当たり前になっていた彼は歯切れ悪く頷く。
それを見て彼女は笑った。
「明日から、またよろしく」
「……ああ」
貴重な時間を惜しむくらいなら、明日の事を考えればいい。遥か先の未来ではなく、身近な未来を見ればいい。
少年は微笑を浮かべた。
「寝坊するなよ」
「大丈夫……だよ、うん」
今度は彼女の歯切れが悪い。
何だかたまらなくおかしかったが、少年は笑いを堪えた。
「じゃあまたね」
「ああ」
手を振りセシルは去って行く。
そこでリオンは我に返り、2人の兵士を見た。
「俺は応援しますよ、リオン様」
「自分も、お2人は良い関係だと思います」
「何を……! この、馬鹿共が!」
真面目なウイルにまで指摘され真っ赤になった彼だが、すぐに城に上がるという事で冷静さを取り戻す。
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bkm
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