2人の会話を聞いていたリオンは何度目か分からない溜め息を吐いた後、見えてきたダリルシェイドを見つめ考える。


「いっそ、胡麻をすってくれた方が楽なんだがな……」

《とか言っちゃって、実はもう考えは決まってるんじゃないですか?》

「……最近の僕はそんなに分かりやすいか?」

《自覚が無い分更に》


 果たして国に仕える者としてコレで良いのだろうか。

 せめて将軍の前ではしっかりしなければと決意し街に足を踏み入れ城に向かう途中、人通りの少ない場所で決意を揺らがせる人物が現れた。


「あ、リオン、任務中かい?」

「……! ん、ああ……まあな」


 ラフな私服姿の彼女は案外貴重かもしれない。と、あっという間に雑念が生まれた少年は咳払いで気を持ち直す。


「お、お前は、何をしているんだ?」

「すっかり鈍った身体を慣らしてるんだよ。自分でもビックリするくらい休暇中はのんびり過ごしてたから……」

「そう、か……」


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bkm

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