フィリアと司教の見送りを受け大神殿を出たリオンは、非常に機嫌が悪かった。理由は言わずとも、後ろを歩くジョブスを分かっていた。
「やっぱり客室剣士って言っても男だよなァ」
「お前、さっきから何を言ってるんだ?」
「何って……お前本当に鈍感だよなー……」
真面目に仕事一筋の男にジョブスは溜め息を吐き、小声で相棒に話す。
「相棒じゃなくて、1人の女性として見てるって事だよ」
「……ん?」
「お前の鈍さは天下一だな……。だから、好きって事なんだって」
「あー……ああ? それって公私混同という事じゃないのか?」
不粋というか真面目過ぎるというか、とりあえず彼は真剣な顔をしている。
再度ジョブスは深過ぎる溜め息を吐いた。
「いいじゃんよべつに、軍内で結婚した奴等だって居るんだぜ?」
「しかしだな……浮わついた心では任務に支障が出る恐れが……」
「だーからお前はお堅いんだって」
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bkm
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