「いやー……集中し過ぎて此処が森だって忘れちゃって……」

《まったく、コレが我のマスターだと思うと……今からセシルに鞍替えしてもバチは当たるまい》

「何だよそれ!」


 ディムロスに抗議をするスタン、身体はもう大丈夫の様だ。

 話に入って来なかったマリーは道端の花を見ており、同じくリオンはシャルティエと何やら話し込んでいる。

 セシルはリオンに声を掛けた。


「リオン、何してるんだい?」

「えっ……いや、神殿に着いたら、どう行動するべきか、シャルと相談していた」

「それは感心だね。スタンはもう大丈夫みたいだから、行こうか」

「……ああ、行こう」


 森を抜けた先にストレイライズ大神殿はあった。

 しかし普段は参拝客で賑わっている筈の神殿は酷く静かで、案内係である教徒すら居ない。


「何かあったと見るのが普通よね、コレは」

「血の匂いがする……」


 呟くようなマリーの一言に、皆に緊張が走る。



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bkm

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