「リオンさん!」
唱術が終了した直後に聞こえた自分を呼ぶ声はジョブスでもウイルでもなく、よく知った“仲間”の声。
ただ嫌な予感がし頭を伏せた。
「いっけーー!!」
頭の上を通ったのは恐怖の物体。
そして起こる爆発。先の旅よりパワーアップしている気がする。
「もう一発……!」
「もういい! 充分だ!」
現れたフィリア・フィリスを止め、爆発で腰を抜かしたジョブスに声を掛け立ち上がらせた。
爆発を逃れた小型モンスターは、何故か逃げていっている。
「あら、どうしたのでしょう……せっかく×××を調合したボムを試そうと思ったのに」
「…………」
嬉しそうに話す彼女にリオンが困惑していると、ジョブスが眼で状況説明を訴えた。
とりあえず少年は要望に答える事にする。
「ア、アタモニ神団司祭の、フィリア・フィリスだ」
「フィリア・フィリスと申します。ジョブスさん、ですね?」
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bkm
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