「ジョブス! 肩を貸せ!」
此方を向かず姿勢を低くするジョブスの肩に足を掛け、跳び、リオンはベアの頭上を取る。
そして耳を頭にシャルティエを突き刺し、咆哮を上げさせた。
「図体だけの……木偶の坊が!」
リーチのある腕でリオンを掴もうとしたが、その前に彼はシャルティエを抜きジョブスの隣に着地する。
ジョブスは腕から出血があるものの無事な様だ。
「ジョブス、ウイルはどうした」
「司教と一緒に、大神殿に向かいましたよ……」
「お前は、2人を逃がす為に囮になったわけか」
「……しゃあないじゃないですか、ウイルの方が頭の回転が早いから向こうでちゃんと説明してくれるでしょうし」
俺は体力勝負って事で、と彼は付け加え背後に迫るモンスターの方を向き剣を構える。
「ところでリオン様、さっきデカブツに吠えさせたのって援軍に場所を教える為?」
「自分が囮になって相棒に援軍を呼びに行かせたんだろうと、お前を見つけた瞬間に思ったからな」
prev next
bkm
[back]