それに先刻のシャルティエの言葉が脳裏を過った。
『何だか、坊っちゃんとスタンみたいですね』
べつにあの男自身を認めたわけではないが、客観的に見れば確かにそうなのかもしれない。
ウイルがリオン、ジョブスがスタンだとすれば、窮地に陥った時の彼等の行動が何となく読める気がする。
「……無理をしていなければいいが」
急いで大神殿へと向かうリオンだが、途中で足を止めた。
肩の力を抜き耳を澄ませていると、木の上からモンスターが襲い掛かった。
「……!」
素早くシャルティエを抜き真っ二つに斬り割く。
そしてそれが合図になっていたかの様に、種族がバラバラのモンスター群が少年を囲んだ。
「……この森は、こんなにモンスターの出現率は高かったか?」
《出現率というか、数が多過ぎますね……》
牙を剥き飛び掛かって来るウルフを斬り捨て、道を塞ぐモンスター達との距離を詰める。
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bkm
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