ストレイライズ大神殿への道中にある森。

 突然スタンの歩みが遅くなった。


「あれ、なんかボーッとする……」

「もしかして、さっきのモンスターに刺されたんじゃないかい? パナシーアボトル使おうか?」


 セシルはモンスターによる毒等に効果のある液体が入った小瓶を懐から出し、少々顔の赤い青年に手渡した。

 この辺りのモンスターの毒は大した事ないらしいが、互いに生物である以上油断は出来ない。


「なっさけないわねェ、パナシーアボトルだってタダじゃないのに」

「まあ支給品なんだけどねコレ。
 ていうかルーティが回復系晶術使えば……あー、飲んじゃった」


 水と治癒の力を持つアトワイトならばと思った矢先、スタンはパナシーアボトルを飲み干した。少しすれば効果は出てくる筈。


「晶術といえば、攻撃系の晶術は時と場合を考えないと駄目だよね」


 火の力を持つソーディアンであるディムロスのマスターを見て、セシルは溜め息混じりに告げる。

 それは先程、スタンが晶術を使おうとし、ディムロスに怒鳴らた事を指していた。




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