説明をするとジョブスが耳打ちで話し掛けてきた。


「あの……もしかしてそれってウォルトの事じゃあ……」

「そうだ」

「大丈夫なんスか? ちょっと胡散臭い様な……」

「奴には貸しがあるからな。それに弱い者苛めをする様な小さい男じゃない」


 “あの”リオン・マグナスが評価する男。ジョブスは何も言わず、納得したのか引き下がった。


「司教、すぐに発てるか?」

「は、はい……大丈夫です」


 荷物は纏めてあったらしく、部屋の角にそれがある。

 リオンは2人の兵士に告げた。


「ウイル、ジョブス、司教を大神殿へ無事にお連れしろ。くれぐれも口論なんかするなよ」

「はっ、了解しました」

「まあ、頑張ってみますよ」


 正反対の答えにやはり心配にはなるが、実力は確かだとドライデンのお墨付きがある。

 司教が弟子に声を掛けた後、村の出入口でリオンの見送りを受けながら2人の兵士は護衛対象と共に村を出発した。


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