焦りからか少々冷静さを失ったウイルの言葉をリオンが遮った。
「ウイル、発言を慎め」
「……! 申し訳、ございません……」
「謝る相手は僕じゃないだろう」
「あ……」
諭されたウイルは司教に謝罪と共に頭を下げる。司教の方は微笑を返し、場の雰囲気は元に戻った。
短い沈黙の後、ジョブスが口火を切る。
「でさ、どうするんですか、リオン様」
「……お前達のどちらの意見も正しいとは僕は思うが、今回はウイルの意見を取らせてもらう」
「そーですか……」
「ちゃんと対処するからそんな顔をするな」
半ば不貞腐れた様子の男に溜息を吐き、リオンは司教に自分の考えを話した。
「司教には彼等と共に大神殿へ戻ってもらう。僕はこの村に居る信用出来る人物に弟子を任せ追い掛ける、それで良いだろうか」
「はい……あの、その信用出来る人物とは……」
「柄は少々悪いが義理堅い男だ。回復した後、その男に弟子を送ってもらう様にとも頼むつもりだ」
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bkm
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