言い返せない、相手はシャルティエだというのに。

 イイ格好をしたいわけではないが、確かに彼女の休暇中にこなした任務等の話をしたいと思っている所がある。

 冷静に考えれば、それがイイ格好なのかもしれない。


「リオン様っ」


 ウイルの呼び声で我に返り顔を上げたが、予想と違い此方に向かって来るのは彼だけ。

 生真面目な兵士が目の前で足を止め敬礼するその表情を見る所、何か予想外の事が起こったらしい。


「どうした」

「それが……司教様の弟子殿が体調を崩し臥せっておられまして……司教様が出発遅らせたいと」

「……分かった、僕も行こう」

「はっ、お願いします」


 2人で宿に向かい、ウイルに案内された部屋にはジョブスと司教、ベッドに横になっている弟子の姿があった。

 リオンが心配そうにしている司教に声を掛ける。


「弟子の体調が優れないという事だが」

「リオン様……はい、慣れぬ旅に身体が着いていけなかったのかもしれません……」


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bkm

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