少年は2人の兵を前に悩んでいた。
「閣下直々の推薦なのだから、双方実力は確かなのだろうが……」
今回降されたドライデンからの命令内容は、2人の兵と行動を共にしどちらが隊長に相応しいか査定をしてほしいというモノ。
生真面目で命令に忠実なウイルと、決して礼儀正しくはないが仲間思いのジョブス。果たしてどちらが隊長の器だろうか。
「どうして僕に……」
《坊っちゃんの人望ですよ》
「……そうか」
将軍はヒューゴを嫌っているので、その筋の話ではない筈。ならばシャルティエの言う通り信頼されているという事なのか。
もしそうだとしたら心の支えにする事が出来る。父から独立し、見返すという目標を目指す為の。
「……とにかく、今は任務の遂行だな。……ハーメンツだったか? 司教達が待っているのは」
「はい、司教様とその弟子殿をストレイライズ大神殿まで護衛が今回の任務です」
「大神殿かー……俺ああいう格式高い所苦手なんだよな」
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bkm
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