「報告は以上です……」
「ふむ……やはりアレは捨て置くか」
「はい、それがよろしいかと。世間から何を言われようと所詮子供は子供……移ろい易い駒は雑兵にすらなれない。それにソーディアン……神の眼の天敵たる剣は貴方が持つ1本で充分……でしょう?」
「フッ……お前の言葉だけだ、私の意思に変化を与えるのは」
笑う男に対し、彼女は薄く笑みを浮かべた。
「さあて、全てが成された時お前には最大の礼を尽くさねばな。お前は誰よりも長く計画に身を投じ続けたのだ……労らねば罰が降されるというもの」
「罰ですか……しかし、神は貴方でしょう。誰が神である貴方に罰を降すというのですか?」
「それもそうだな……私に罰を降せるとしたら、それはお前だけだろう」
「……そうですか」
男は彼女に歩み寄り、ゆっくり頬に触れる。
「お前だけだ信じられるのは……お前もそうだろう?」
「…………はい」
ゆっくりと、頷いた。
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bkm
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